エモ・パンク・ギターポップの枠を越える傑作”Simpleton”を完成させ、下北沢ERAを皮切りに全国30公演に及ぶ初の本格的なツアーを経て大きく成長を遂げた4人がそこにはいた。

持ち前の繊細なメロディーの素晴らしさは勿論、ライヴバンドならではの勢いとエネルギッシュなサウンド、メンバー間の息もぴったりと合った演奏も言う事無し！入りきらないオーディエンスの期待は1曲目、アルバムのオープニングと同じ「Drowning in her sea」が始まった瞬間に満たされた。場内はいきなり沸点を迎える。

以降アルバムからの曲を中心にしたセットリストでシンガロング＆ダイヴの連続！異常なまでの盛り上がりを見せ、メンバーが全力で発する音にオーディエンスもめいっぱいの声援で答える姿は実に感動的でツアーファイナルに相応しい雰囲気。彼らの真の魅力であるメランコリックな中盤〜本編ラストの「Roamer」まで息つく暇無し！テンションが一切落ちる事のない構成も見事だった。

アンコールで披露したセンチメンタルなPet Shop Boysのカヴァー「Home & Dry」もメロディーの良さはジャンルの壁を越えることを証明する素晴らしい仕上がり！「So Sometime」のイントロでハプニングも起こったが、そのハプニングをも勢いに乗せてしまう抜群のチームワークと実力が今の彼らにはある。そして最後は聴く者に甘酸っぱい気持ちを残す「For Dear Life」。あっというまの全12曲。「もっと見たい」という欲求と「何かが起こりそう」という期待で胸がいっぱいに！

こんなにバンドとオーディエンスが一つになったのを実感したのは本当に久々。彼らが次なるステージへ突入した事を証明し、さらなる活躍を期待させる何とも余韻が気持ち良い素晴らしいライヴであった。